• 著　者　：原泰久

• 出版社　：集英社

• レーベル：ヤングジャンプ・コミックス（2006年より週刊ヤングジャンプにて連載中），コミック64巻（2022年4月現在）

　動乱期である中国の春秋戦国時代に、戦争で孤児となりながらも「天下の大将軍」を目指す少年・信（シン）と、後の始皇帝となる秦王・政（セイ）の成長と活躍を描いた作品です。

　ストーリーは王道の主人公の成長を描いていますが、信と政は実在した人物なだけに過程がとても気になります。信はどうやって大将軍になるのか、政はどうやって始皇帝まで登りつめたのか、毎回の展開が気になる展開です。また主人公を取り巻くキャラクターにも魅力あふれる武将・敵将が多数登場します。しかも登場したキャラクター達は、モブ的キャラでも無駄にされないところがいいですね。

　信が率いる「飛信隊」は決して、「最強軍団」や「俺つえー」な部隊ではありませんが、登場するキャラのそれぞれに人間臭さがあふれています。信・政ばかりスポットを当てずに、サブキャラにもしっかりとスポットが当てられていて、個性あふれるキャラが多数登場することも魅力です。ちなみに僕が好きなキャラは、主人公信が目標としている最強の大将軍「王騎」将軍です。ｺｺｺｺ

　さらにキングダムは画力、特に戦闘シーンの迫力ある描写が圧巻です。戦闘では何万人vs何万人にもなります。本当に数万人の中で戦っているような描写は素晴らしいと思います。武将の圧倒的な存在感、一騎打ちの緊張感、戦闘シーンは本当に圧倒されてしまいます。

　戦闘シーンといえば、戦術や陣形も見逃せません。しっかりと考えられてあり、伏線、そして回収と考えながら読むことができます。ただ登場人物が多く、新刊が出ると「こいつ誰だっけ？」問題が必ず発生し、毎回2・3巻前から読み返しています。

　キングダムをおすすめするポイントを言い出すとキリがありませんが、とにかくキングダムが傑作で面白いことは間違いありません。自信を持ってオススメします。（64巻まで長いですが…）