著 者 : 鏑木蓮
出版社 : 潮出版社
京都近郊に開設している「本宮心療内科クリニック」の医師・本宮慶太郎。彼のもとに、心身症の相談に訪れた高校生から思いがけないことが打ち明けられる。それは、遺書らしきメモとともに自ら命を絶った女性の死に関する驚くべき疑念だった。そこで主人公は、彼女の訴えを聞き、彼女の心身症を改善するためにもと独力で真相を探っていくストーリー。心理描写が丁寧でとても分かりやすいですが、登場人物は多くなく、犯人と思われる人物はなかなか特定できません。
また、商品の偽装や消費されずに廃棄される商品の再利用(犯罪かどうかは不明ですが…)など、今叫ばれている「SDGs」に関連される内容もストーリーに繁栄されているところも興味深いです。
自分の守りたいものに固執すると、思いもよらないことに繋がり、その後の人生を左右されることもある。なかなか読み応えのあるストーリーだと思います。