著 者 : 橋本克彦・鎌田慧・野田峯雄・ほか著
出版社 : 宝島社文庫
日本国有鉄道民営化を目前とした激動の昭和時代。鉄道に生涯をささげた職員の生の声を収録した心揺さぶる、13のノンフェクション短編集。蒸気機関車の機関士、機関区員、あるいは線路工手として「国鉄」に生きた人たち、そしてその家族の人生には、鈍色の哀愁と現場で戦った誇りが溢れでた「鉄道員」の真実がここに。
私の祖父が保線区員、父が日本国有鉄道公社の前身・鉄道省時代に“カマタキ”の見習いから入り、蒸気機関車、ディーゼル機関車、電気機関車と運転した機関士であったため、自身に重なるところが多く、読み入ってしまいました。本に記載されていますが、長期連休の時は臨時便が増発されるため「鉄道員」に休みはなく、家族旅行に行く同級生をうらやましく思ったこと思い出されます。
2022年(令和4年)に鉄道開業150年を迎えました。鉄路を守る人々がいたからこそ、現在の線路が維持されています。「鉄オタ」の皆さんも形あるものだけでなく、鉄道の歴史を作った人にも目を向けてはいかがでしょうか。