著 者 : 若林正恭
出版社 : 文藝春秋
お笑いコンビ、オードリーのツッコミ担当・若林正恭によるエッセイ。雑誌ダ・ヴィンチに掲載されたものと書籍用に加筆されたもので構成されており、一つひとつが短編で完結しているため、とても読みやすいです。
前書きとして、『生き辛いという思いを抱えて息を潜めて生きている人は、もしよければお付き合いください。』とあるように、誰もが感じたことのある人生の中での違和感やモヤモヤ感、生き辛さみたいなものを絶妙に表現してあり、共感できるものがいくつもあります。世の中や物事を常にナナメから見てきた若かった頃に比べ、40歳間近になり様々な経験を積むことで、いかに世の中を肯定できるようになったのか。
第三者目線で読み進めているつもりでも、いつの間にか、彼の考え方や生き方などに背中を押されているような気持ちになります。時に人は弱さを隠して逃げ出したくなることを必死で堪えています。そんな弱さをさらけ出せることこそが強さである、という頑張りすぎない前向きな気持ちにさせてくれる一冊です。