時間の使いかたを知る大人が心地いい。動く秘密基地。
北山形駅エリアの住宅街。下条五差路へ続く県道を西へ進み、アンダーパスをくぐると左手に見えてくる流線形のシルバーボティ。一瞬何が見えたのかわからなくなる。
北町ベースと名付けられたこの場所に置かれているのは、ハリウッド映画やアメリカドラマでお馴染みのキャンピングトレーラーである。若きレオナルド・ディカプリオがジョニー・デップと共演したヒューマンドラマ映画「ギルバート・グレイプ」に登場したそうアレだ。最近ではサスペンスアクション映画「ザ・コンサルタント」での登場が記憶に新しい。ベン・アフレック扮する主人公が大型SUVで牽引しながら走るシーンが印象的だった。
そのエアストリーム社のキャンピングトレーラーに大胆なレストアを施し、移動カフェに仕立ててしまったのが、クラウドモビリティ山形の「CLOUD27」と「CLOUD19」である。
やるからにはオンリーワンなカフェスタイルを。
〝銀色の幌馬車〟と呼ばれるアメリカはロサンゼルス生まれのエアストリームだ。その見た目のインパクトもさることながら、1台1台ほぼハンドメイドに近い工程を経て丹念に製造されることから、キャンピングトレーラーの最高峰として80年以上の歴史を持つ。
その外装および内装を移動カフェ仕様にレストアし、ヴィンテージテイストのインテリアをコーディネイト。約半年の歳月をかけ、男前でスタイリッシュな空間に生まれ変わらせてしまった。
「エアストリームを固定店舗として利用している店は全国にいくつかありますが、移動できるカフェとして営業しているところはおそらくうちが東北で唯一だと思います」とのこと。
そんな「CLOUD27」が街なかに初めて登場したのは、2017年12月、山形トヨタ本社の南隣にあるカスタマイズファクトリー「GR Garage山形」のオープンイベントにて。
さらに2019年3月には、よりカフェとしての機能の充実を充実させるべく、フードトレーラー「CLOUD19」を増車。これによって対応できるメニューの数が格段に増し、出店するイベントに合わせた幅広い対応が可能になった。
クラウドが提供する非日常な時間を愉しむ
「CLOUD27」で提供されるメニューは、ハンドドリップコーヒーと、夏期限定のコールドブリューコーヒー。そのほかソフトドリンクやホットドッグ、チキンオーバーライスなど。トレーナー内で飲食できるほか、テイクアウトもOKだ。また「CLOUD19」では同様のドリンク類のほか、クラムチャウダー、キーマカレー、牛すじカレー、ホットサンド、マッケンチーズベーコンなどといった、アーリーアメリカンな光景にお似合いのフードたちが揃う。
味にも素材にもひと手間かけた「Cloud19」の人気メニューたち。
チキンオーバーライス
700円
グリルチキンホットサンド
500円
ホットドッグ
350円
※表示価格は全て税込みです。
「週末や連休などを利用して、期間限定のナイトタイム営業を実施することもあり、そのときはコロナビールやカクテルなどアルコールの提供も行います。またCLOUD27を貸切にして、仲間内の飲み会スペースとして使っていただくことも可能です。ご相談ください」と川田さん。
英語で〝雲〟を意味する店名の〝CLOUD〟には、見る人、見る場所の数だけ見えかたがある、そしてまたクラウドサーバーのように人々がアクセスするポイントでありたい、そんな思いが込められている。
雲のように街から街へと移動するCLOUD27、CLOUD19。この幌馬車たちと過ごす時間は、留まる場所の変化に合わせて毎回違った景色を見せてくれるはず。まさに時間の使いかたを知る大人が心地いい、動く秘密基地といえるだろう。
お店へのアクセス