PLAY REPORT

実際に行われた趣味・遊びのレポートをお伝えいたします。

2022年06月25日

#008「カヤック体験」

絵画のように幻想的な湖上を旅する
白川湖水没林でカヤック体験

4月中旬からほんの1ヶ月だけ現れて消える、
春限定レイクアクティビティ。

 

飯豊連峰の雄大な山懐に抱かれる白川ダム湖畔公園へ

 新緑の若葉眩しい飯豊連峰の裾野を目指し、山形市内から国道348号、さらには113号を駆け抜けて集まった「つくりばプロジェクト」メンバー。今回は春の雪解け水が満水になった白川湖を舞台に、春のわずか1ヶ月半ほどの期間限定でしか体験できない水没林カヤックにチャレンジするという。

乗艇所に並ぶカラフルなカヤック。ひとり乗りのほかペアで乗るのも可能。

 この特別な体験ができる場所は、飯豊町中津川地区にある白川湖岸公園内。湖面は空の青と周囲の緑を反射してエメラルドグリーンに輝き、水面から上部だけを覗かせてたシロヤナギが立ち並んでいる。
 2017年からダム湖を活用した新たな観光事業として始まった水没林カヌー・SUP体験だが、その幻想的かつ自然美の希少性からジワジワと人気が出始め、2020年には週末の体験会が埋まってしまうほど知られた存在となった。

 

陸上でパドルに慣れたら水上で動きを確認

いいでカヌークラブの代表でインストラクターの堀江さん。

 参加するメンバーは受付を済ませ、まずは準備体操とカヤックの基本的な操作についてレクチャーを受けることに。「使うのは小型無動力の艇です。パドルを使って進みます」と説明するのは、インストラクターで、いいでカヌークラブの代表を務める堀江さん。ボートはオール(櫓)、カヌーはパドル(櫂)という道具を使い、パドルのブレードが片側ひとつのものをカヌー、左右2つついているものはカヤックなのだそう。

 

パドルの持ちかたやブレードの特性を学ぶ。

「パドルは水面に対して立てすぎず、30度くらいの斜めに刺し、水をキャッチします。腕ではなく、腰を引いて回してください。力を入れすぎず、視線を遠くに持っていくことがコツです」
 インストラクターと一緒に陸上でパドリングの練習を丁寧に行い、水上での動きをイメージトレーニング。今回参加するメンバーは全員初体験ということもあり、真剣な眼差しで聞き入っていた。
「体験教室を初めてから、カヤックをひっくり返したのはこれまで5人います。くれぐれも湖の底にいる河童に引きこまれないようにね」と笑顔で話すインストラクターの言葉に動揺しながら、いざ入水。
 乗船場は白川荘に近いの公園駐車場の隣にあり、参加者たちが練習している乗船場付近の水深は取材時点(5月中旬)で50cmほどとのこと。万一ひっくり返っても大人の背丈があれば容易に立ち上がることができる。パドルを使って水上で前進、行進、Uターンと、基本となる動きを練習。つくりばのメンバーのほかにも老若男女5〜6人がツアーに参加しており、インストラクターが一人ひとりの動きを確認してくれる。参加者全員が基本の動きができるようになったと判断したら、いよいよ水没林のなかを往く湖上の旅へ出発だ。

 

湖面に写る新緑のなかを漕ぐ圧倒的な開放感

 インストラクターが先導して湖面を進む。参加者が乗り込んだ赤や青、黄色のカヤックが透き通った水面に写り、そのカラフルな色合いがアドベンチャー気分を盛り上げてくれるようだ。
 出発してほどなく、シロヤナギが何本も立ち並ぶ木立のなかに到着した。この辺りだと水深は1.5mほどありそうだ。聞こえてくるのはパドルが水をかき分ける音と、どこか遠くで鳴いている鳥のさえずりのみ。
「ヤナギのトンネルのなかに入ると、すっと風が止んであたりも静かになった。水に浮きながら森のなかを進むという、なんとも不思議な感覚でした」とは、参加したつくりばメンバーの感想だ。本来であれば見られない景色。溢れるほどの雪解け水が流れ込むこの時期限定の贅沢なカヤック体験だ。

 


水没林のなかを通り抜けていく非日常体験。

迫りくる山々の迫力ある姿に感動しながら進む。

 

「前半はパドルの動きに苦戦しましたが、出発する頃にはカヤックにも慣れてきて、水上の風を浴びながら清々しい気分で乗れました。低い木たちは水中に沈んでいて、水面に透けて見える。その上をカヤックが走るというすごく面白い体験ができました」と、普段は見られない特別な景色と湖上の水遊びに心が動いた様子。

 


鮮やかな山の緑が広がる白川湖。

春は萌え、秋は燃えるような朱色に染まるそう。


白川湖半は夏も楽しいSUP、カヤック体験開催中

「今度は家族を連れて体験したい」
「同じエリアに温泉やキャンプ場もあるし、一日中遊べそう」
 と初めてのカヤック体験は予想以上に充実していた様子のつくりばメンバー。
堀江さんによれば「水没林のカヤック体験は5月中旬頃には終了してしまいますが、6月から秋までは白川ダム管理支所からダム沿いの道を5kmほど進んだところにある中津川橋のふもとで、カヌーやカヤック、立ち乗りするSUP体験を開催しています」とのこと。目印は、赤いアーチ状の橋だ。夏は家族連れでの参加者も増えるそうで、ホームページから気軽に予約できるとのとこと。
 全員初心者ながら丁寧なレクチャーと案内のもと、大いに満喫できたカヤック体験。「紅葉の季節にまた来たい」と口にするメンバーに、皆うなづく姿が印象的だった。



カヤック体験はおよそ90分。

後半にはパドルさばきにも余裕が出た様子。

 

 


  • 店舗データ
    いいでカヌークラブ
    山形県飯豊町白川湖湖畔
    TEL:050-5832-7512
    HP→https://www.iide3.net
  • 体験料
    高校生以上5,500円(税込)〜、中学生以下4,400円(税込)〜
    (日時によって変動あり)
    ※こどもは身長85cm以上から大人のかたと一緒に乗艇可能です。
     料金にはガイド料、保険料、カヌー用具3点(カヌー本体・パドル・ライフジャケット)が含まれます。

 

  • 地図

 

 

 

 

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