PLAY REPORT

実際に行われた趣味・遊びのレポートをお伝えいたします。

2022年07月28日

#010「かみのやまクアオルト健康ウォーキング」

思い立ったら緑の森へ
自分のペースで健康ウォーキング
「かみのやまクアオルト健康ウォーキング」


かみのやまにある地域資源を全身で体内に取り入れる

 

 上山市が2008年(平成20)から取り組んでいる「上山型温泉クアオルト事業」は、市民の健康増進、交流人口の拡大による地域活性化を目的とした、官民一体となったまちづくり事業のひとつ。温泉地からほど近い距離にウォーキングフィールドがあり、幹線道路や鉄道の交通も良好な上山市の地域の特性を最大現に活用した健康促進事業だ。10回目を迎える今回の「つくりばプロジェクト」では、そんな上山市のクアオルト健康ウォーキングに参加して、森の空気をからだいっぱい吸い込んできた。

 

かみのやま温泉駅から徒歩15分で行ける里山コース

今回「つくりばプロジェクト」のメンバーが歩いた道は、かみのやま温泉駅から徒歩15分で森の中へ行ける「西山コース」。距離3.1km、高低差110mと程よくアップダウンがあり、中級者向けのルート設定のコースだ。

クアオルトウォーキングガイド歴12年の木村秀泰さん


 案内してくれたのは、NPO法人蔵王テラポイト協会の理事長長で、クアオルトウォーキングガイド歴12年の木村秀泰さん。
「クアオルトウォーキングの特徴は安全に個人の体力に合わせること、そして運動効果を一層高めることにあります。私たちは〝がんばらないウォーキング〟と言っていますが、一人ひとりの目標心拍数を計測し、会話しながら息が少し弾む程度で歩くことがベストです。そして運動効果を高めるために、歩行中はやや冷えると感じる装いで、上着を一枚脱ぐか腕まくりなどで汗を上手に蒸発させることを意識します」とのこと。そんな木村さんの説明を聞きながらウォーキング前のストレッチで体をほぐし、いざ出発。

準備体操をしていざスタート

 

武家屋敷で城下の風情を里山で文学散歩を楽しみながら歩く

 上山城を眺めながら武家屋敷の前を通り、西山コースのスタート地点へ向かう一行。「この辺りはじっくり歩くと上山の歴史探訪になるね」「お城がある街ってなんだかいいよね」と会話も弾む。ほどなくコースのスタート地点へ到着。各自運動負荷時の目標心拍数を計算し、ポイントごとに計測し、ノートに記入しながら無理のないよう歩みを進めていく。



 西山コースは別名「西山文学の道」とも呼ばれ、上山市出身の歌人・斎藤茂吉をはじめ、林芙美子、曽我部恭子などの歌碑や詩碑がルート内に設立されているのだそう。文人たちが想いを馳せた当時の上山を想像しながらウォーキングが楽しめる。またこの辺りは6月下旬から7月中旬になると幻想的に飛び交うゲンジボタルの鑑賞スポットとしても知られている。地元の有志が長年にわたり「西山ホタルの里」を掲げ、八幡堂川の浄化と環境保全活動に取り組んでいるのだそう。このウォーキングエリアはホタルのみならず希少な植物や昆虫の生息地でもあり、季節によって変わる山の表情を楽しみながら歩けるのが魅力だ。


カラダを冷やしてストレッチ木道では「ヤッホッ!」

 コースの中間地点をすぎ、午前の柔らかい木漏れ陽が降り注ぐ緑のなかを歩いていると「この木、知っていますか?」と木村さんが木肌の美しい細い枝を手渡してくれた。「枝を折って香りを嗅いでみてください」と続ける。木村さんに習って小枝を折り鼻を近づけた瞬間、スーッとそこだけ清らかな風が吹いたような、爽やかで温かみのある芳香が広がった。「なんですか、この木は?」と尋ねると「クスノキ科の木でクロモジと言います。山歩きに慣れた人の間ではよく知られた木で、弾力性があって折れにくいため、和菓子の爪楊枝として重宝それる木なんですよ。トレッキングに疲れたときなんかは、一種の清涼剤として香りを愉しむのもいいですね」と教えてくれた。聞けば香水やアロマオイルなどとしても人気の高い香木なのだそう。

手洗い場でクールダウン。山の水は心なしか肌当たりが柔らかい

 クロモジを手にしながら歩を進め、コースの半分を過ぎた頃に「手洗い場」が見えてきた。木村さんが「ここで腕までを水に浸してみてください。体にこもった熱を冷ましまします」というので、その通りに腕を水に浸す。「いやー、気持ちいいですね」と思わず声が漏れる。さほど感じてはいなかったのに、じわじわと体が火照っていたことを実感する体験。ここでの休憩でしっかりストレッチも行ったおかげで、なんだか足取りが軽くなる。

このストレッチが後半の足取りを軽くしてくれた


「もうすぐ百枚田です。昔の棚田跡に木道が整備されていて、昆虫の楽園とも呼ばれる場所なんですよ」と木村さん。運が良ければ日本最小と言われるハッチョウトンボなどの貴重種に出合えるんだとか。そして棚田跡の一番奥まで歩くとここで木村さんから「ではみんなで一斉に声を発してみましょう」との提案が。
「ここではヤッホッと短く言いますよ、せーの」
「ヤッホッ!」
 すると発した声が目には見えない風船に包まれて、空の彼方へと運ばれていくような不思議な現象が。やまびことも違う、なんとも神秘的な体験だ。

棚田跡の百枚田で「ヤッホッ!」タイム

 

「もうちょっと歩きたいかも」くらいのほどよい疲労感

 百枚田からのコースは少しずつ下り道になった。途中、鮮やかなヒメサユリやシャガの咲く姿もあり、街中ではお目にかかれない山野草の可憐さに心が和む。
「シャガは城下町でよく見かける花なんです。葉が笹の葉に似てツルツルしている。これを踏むと足が滑って歩きにくいことから、敵の侵入を妨げる狙いで植えられるそうですよ」と木村さん。健康ウォーキングを楽しみながら、上山の歴史に触れることができたようで嬉しくなった。

緑に映えるヒメサユリを発見。ユリ科らしい華やかさと深山の植物らしい可憐さを併せ持つ。
シャガはアヤメ科の植物。冬でも枯れず4月〜6月上旬に花を咲かせる。


 気張らずに歩いておよそ2時間でゴールを迎えた西山コース。
「あー、上山城に戻ってきた。体力的にはまだもう少し頑張れるくらいの疲労感です」とつくりばメンバー。
「これから温泉に入って筋肉をほぐしていくのはどうですか?」
「いいねー、行こう行こう」の会話に木村さんは
「体力づくり、健康維持のためにも、まだ歩けそうぐらいのウォーキングを週に一回とか、それが難しければ月に一回でも続けてみてください。同じ道を歩いても季節が変われば目に肌に、いろんな変化を伝えてくれるのが自然です。ぜひまた歩きにきてください」とアドバイス。
 思い立ったらすぐ、新鮮な空気を体に取り込めるファールドヘ行ける。これってとっても贅沢なことだ。

 


無事ゴールを迎えてパチリ。「上山市にはドイツにあるミュンヒェン大学アンゲラ・シュー教授の鑑定による気候性地形療法を活用するための認定コースが8コース用意されいます。これは日本初であり唯一の存在なんですよ」と木村さん

 


 


  • 紹介スポットデータ
    空色・暮色ウォーキング(クアオルト健康ウォーキング)
    山形県上山市矢来1-2-1(上山市観光物産協会)
    TEL:023-672-0839

営業日

  • 受付時間/9:30〜16:00
  • ウォーキングタイム/空色10:00〜12:00、暮色14:00〜16:00
  • ガイド料金/小学生以上3,000円、未就学児300円
     ※中学生以下は保護者同伴のこと
     ※申込みは2名以上、前日15:00までに要予約
     ※ガイド料金はウォーキング開始前までに「かみのやま温泉観光案内所」にて済ませること。
  • 持ち物/飲み物やタオル、日よけの帽子
  • 服装/動きやすい服、運動やウォーキングに適した靴

ホームページ

https://kaminoyama-spa.com/tour/1783.html

 

 

 

 

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2022年07月17日

#009「GLAMPiC」

フィールドを最大限に活用した
新しいアウトドアシーンの提案「GRAMPiC」


国道286号線沿い、山形市新山にある「GRAMPiC」で、趣味のDIYを極めるの巻。

 

ランチやカフェだけでなく、話題のグランピングが楽しめるスポット

 山形市中心部から車で山形自動車道関沢インターチェンジを目指す。べにばなトンネルへの分かれ道を通過し、滑川のせせらぎを感じながらさらに山懐へと進むと、ほどなく見えてくるロッジ風の建物。そこが今回つくりばメンバーの集結場となった『GRANPiC』だ。建物のすぐ裏手はプライベートビーチならぬプライベートマウンテンとなっており、そのおよそ3,000坪ある山の広大な敷地を使った「グランピング」が楽しめる場所として人気を集めている。「グランピング」とは、日本では2015年ごろから広がり始めたアウトドアエンターテインメントで、「グラマラス」に「キャンピング」が組み合わされて生まれた言葉だという。キャンプ用品や食材・食事などがあらかじめ用意された場所や施設に赴き、身一つでキャンプ体験ができるという気軽さがウケて、若者を中心に現在は女子会やファミミリー層まで幅広い利用者がいるという。2017年にオープンした『GRANPiC』では、ボリューミーサンドイッチやスキレットカレーなどを提供するカフェ&バーながら、グランピング利用者用にテントやBBQ、ドラム缶風呂、ゲストハウスも完備。1日1組限定、一山貸切でのアウトドア遊びが叶うのだ。



ビギナーも安心、インストラクター付きのDIY体験
つくりばメンバー4人+2人でチャレンジ

 そんな『GRANPiC』で体験できるアウトドアコンテンツのなかのひとつにDIYによるワークショップがある。じつはこの『GRANPiC』の建物、カフェスペースやグランピングエリア、ゲストハウスまですべてオーナーがセルフビルドで作り上げた建物。そのオーナーのスキルを活かして、フォトフレームやカッティングボードなどの木工品をつくるワークショップを開いているのだ。そこで、今回のつくりばプロジェクトリポートは、DIYにチャレンジ。インストラクター指導・引率のもと、ビギナーでも安心に取り組めるワークショップだ。

今日のお題はDIY。工具を持っていざチャレンジ。
マルチ小物立てを作る材料と道具。写真中央にあるのがオーナーでDIYインストラクターの芳賀さんが作った見本。


 集まったプロジェクトメンバーは6人。ほとんどのメンバーがDIY初心者とのことだったが、そこは自動車ディーラー所属の面々。男子力?が試される〝ものづくり〟に腕が鳴る様子。
「ジグソー使うの面白そう」「糸のこは得意」とやる気十分だ。
 作業はカフェ隣接のDIY工房にて。最初にお題であるマルチ小物立ての材料を確認する。続けて作業の工程や使う道具などについて、DIYインストラクターの芳賀潮音さんから指導を受ける。芳賀さんは現在『GRANPiC』の運営に加え、建築現場での監督経験と技術を生かしたDIYやリノベーション事業も手がけているスペシャリストなのだ。

GRANPiCのオーナーでDIYインストラクターも務める芳賀さん。店舗は奥様と二人三脚で運営している。


 完成までの流れを予習したらさっそく木取り図に合わせてパーツごとに板をカットしていく。メンバーは工具慣れしていることもあってか、誰ひとり躊躇することなく作業に取り掛かる。パーツの切り出しが済んだらペンを立てる部分やネジ込む場所にはドリルで穴を開け、木工ボンドで仮止め。ボンドがある程度乾いたら順に組立てていく。

 


メンバー6人6様の表情がある、
世界にひとつ、オンリーワンのマルチ小物立てが完成。

 「設計図通りでなくても、自分の好きなようにアレンジするのもアリですよ」と芳賀さん。すると「じゃペンを3本立てられるようにしようかな」「腕時計は使わないからここは削らなくてもいいな」と、それぞれが自分好みの仕上がりを目指しはじめる。仕上げのヤスリがけでは木肌の感触を確かめながら、丁寧に磨きをかけいていく。
「ヤスリがけはとくに性格が表れますよね」と芳賀さん。板金を担当するメンバーが板の角を愛でるようにヤスリがけしている様子を見て、並々ならぬ職人魂を感じたよう。完成してみればそれぞれの個性が現れるオンリーワンの小物立てが6つ完成していた。
 このマルチ小物立ては、スマホやペン、メモ帳が置けるほか、腕時計やメガネ、ペンも収納できる仕様になっており、オフィスのデスク上で活躍してくれるのはもちろん、ベットサイドやドレッサーなどに置いて小物をまとめる際も便利に使えそう。アイデア次第でいろんな用途に役に立ちそうだ。メンバーからは
「自宅で1から道具を揃えるとなるとハードルが高いが、材料も木取り図も揃えてあって楽しく作業できた」「小型の木工品を作る際も意外と木屑が散らかるので工房の存在は大きい。仲間と比べ合いながら自分流にアレンジできて満足」との声が。



親子で、友人またはカップルで。
過ごした時間の思い出を自分たちの手でカタチに。

 「グランピングやキャンプ、BBQだけでももちろん楽しいんですが、それだけじゃないアウトドアの遊びとしてDIYでのワークショップを提案しています」と芳賀さん。子どもとお父さんの組み合わせで、ちょっとした簡単なものでも一緒に作る喜びは格別。共同作業をすることで新たな顔を知ることになるなど、気持ちの距離が深まることもあるだろう。
 親子で、または友人やカップルでの共同作業にもおすすめ。チャレンジ希望のかたは事前予約を。

マルチ小物立ては作業開始から完成までおよそ2時間。「つくりば」と「GR Garage」のロゴを刻印してもらったメンバーも。

 

 



  • 店舗データ
    合同会社GLAMPiC
    山形県山形市新山514−1
    LINE ID:@urb2316y
  • 営業日

    CAFE営業日/月曜・土曜・日曜・祝日
    1〜4、11・12月/11:00〜16:00
    5〜10月/11:00〜18:00
    CAFE営業日/全日18:00〜23:00(要予約)
    DOG SPACE営業日/4〜10月

    グランピング/5〜11月(要予約)
    ゲストハウス/通年(要予約)

    インスタ→grampic286
    HP→https://glampic.net

  • 地図

 

 

 

 

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2022年06月25日

#008「カヤック体験」

絵画のように幻想的な湖上を旅する
白川湖水没林でカヤック体験

4月中旬からほんの1ヶ月だけ現れて消える、
春限定レイクアクティビティ。

 

飯豊連峰の雄大な山懐に抱かれる白川ダム湖畔公園へ

 新緑の若葉眩しい飯豊連峰の裾野を目指し、山形市内から国道348号、さらには113号を駆け抜けて集まった「つくりばプロジェクト」メンバー。今回は春の雪解け水が満水になった白川湖を舞台に、春のわずか1ヶ月半ほどの期間限定でしか体験できない水没林カヤックにチャレンジするという。

乗艇所に並ぶカラフルなカヤック。ひとり乗りのほかペアで乗るのも可能。

 この特別な体験ができる場所は、飯豊町中津川地区にある白川湖岸公園内。湖面は空の青と周囲の緑を反射してエメラルドグリーンに輝き、水面から上部だけを覗かせてたシロヤナギが立ち並んでいる。
 2017年からダム湖を活用した新たな観光事業として始まった水没林カヌー・SUP体験だが、その幻想的かつ自然美の希少性からジワジワと人気が出始め、2020年には週末の体験会が埋まってしまうほど知られた存在となった。

 

陸上でパドルに慣れたら水上で動きを確認

いいでカヌークラブの代表でインストラクターの堀江さん。

 参加するメンバーは受付を済ませ、まずは準備体操とカヤックの基本的な操作についてレクチャーを受けることに。「使うのは小型無動力の艇です。パドルを使って進みます」と説明するのは、インストラクターで、いいでカヌークラブの代表を務める堀江さん。ボートはオール(櫓)、カヌーはパドル(櫂)という道具を使い、パドルのブレードが片側ひとつのものをカヌー、左右2つついているものはカヤックなのだそう。

 

パドルの持ちかたやブレードの特性を学ぶ。

「パドルは水面に対して立てすぎず、30度くらいの斜めに刺し、水をキャッチします。腕ではなく、腰を引いて回してください。力を入れすぎず、視線を遠くに持っていくことがコツです」
 インストラクターと一緒に陸上でパドリングの練習を丁寧に行い、水上での動きをイメージトレーニング。今回参加するメンバーは全員初体験ということもあり、真剣な眼差しで聞き入っていた。
「体験教室を初めてから、カヤックをひっくり返したのはこれまで5人います。くれぐれも湖の底にいる河童に引きこまれないようにね」と笑顔で話すインストラクターの言葉に動揺しながら、いざ入水。
 乗船場は白川荘に近いの公園駐車場の隣にあり、参加者たちが練習している乗船場付近の水深は取材時点(5月中旬)で50cmほどとのこと。万一ひっくり返っても大人の背丈があれば容易に立ち上がることができる。パドルを使って水上で前進、行進、Uターンと、基本となる動きを練習。つくりばのメンバーのほかにも老若男女5〜6人がツアーに参加しており、インストラクターが一人ひとりの動きを確認してくれる。参加者全員が基本の動きができるようになったと判断したら、いよいよ水没林のなかを往く湖上の旅へ出発だ。

 

湖面に写る新緑のなかを漕ぐ圧倒的な開放感

 インストラクターが先導して湖面を進む。参加者が乗り込んだ赤や青、黄色のカヤックが透き通った水面に写り、そのカラフルな色合いがアドベンチャー気分を盛り上げてくれるようだ。
 出発してほどなく、シロヤナギが何本も立ち並ぶ木立のなかに到着した。この辺りだと水深は1.5mほどありそうだ。聞こえてくるのはパドルが水をかき分ける音と、どこか遠くで鳴いている鳥のさえずりのみ。
「ヤナギのトンネルのなかに入ると、すっと風が止んであたりも静かになった。水に浮きながら森のなかを進むという、なんとも不思議な感覚でした」とは、参加したつくりばメンバーの感想だ。本来であれば見られない景色。溢れるほどの雪解け水が流れ込むこの時期限定の贅沢なカヤック体験だ。

 


水没林のなかを通り抜けていく非日常体験。

迫りくる山々の迫力ある姿に感動しながら進む。

 

「前半はパドルの動きに苦戦しましたが、出発する頃にはカヤックにも慣れてきて、水上の風を浴びながら清々しい気分で乗れました。低い木たちは水中に沈んでいて、水面に透けて見える。その上をカヤックが走るというすごく面白い体験ができました」と、普段は見られない特別な景色と湖上の水遊びに心が動いた様子。

 


鮮やかな山の緑が広がる白川湖。

春は萌え、秋は燃えるような朱色に染まるそう。


白川湖半は夏も楽しいSUP、カヤック体験開催中

「今度は家族を連れて体験したい」
「同じエリアに温泉やキャンプ場もあるし、一日中遊べそう」
 と初めてのカヤック体験は予想以上に充実していた様子のつくりばメンバー。
堀江さんによれば「水没林のカヤック体験は5月中旬頃には終了してしまいますが、6月から秋までは白川ダム管理支所からダム沿いの道を5kmほど進んだところにある中津川橋のふもとで、カヌーやカヤック、立ち乗りするSUP体験を開催しています」とのこと。目印は、赤いアーチ状の橋だ。夏は家族連れでの参加者も増えるそうで、ホームページから気軽に予約できるとのとこと。
 全員初心者ながら丁寧なレクチャーと案内のもと、大いに満喫できたカヤック体験。「紅葉の季節にまた来たい」と口にするメンバーに、皆うなづく姿が印象的だった。



カヤック体験はおよそ90分。

後半にはパドルさばきにも余裕が出た様子。

 

 


  • 店舗データ
    いいでカヌークラブ
    山形県飯豊町白川湖湖畔
    TEL:050-5832-7512
    HP→https://www.iide3.net
  • 体験料
    高校生以上5,500円(税込)〜、中学生以下4,400円(税込)〜
    (日時によって変動あり)
    ※こどもは身長85cm以上から大人のかたと一緒に乗艇可能です。
     料金にはガイド料、保険料、カヌー用具3点(カヌー本体・パドル・ライフジャケット)が含まれます。

 

  • 地図

 

 

 

 

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2022年05月14日

#007「バイクツーリング」

ライダーの聖地で安全祈願
山形~長井~寒河江を走る
1dayバイクツーリング

 

總宮神社

新緑シーズン到来!
ながい黒獅子の起源が伝わる「長井一の宮 總宮神社」へ

四輪も好きだけど二輪も好きなメンバーで「つくりばプロジェクト」初ツーリング!

 

 山形トヨタが大人が本気で遊び学べる場を紹介し、趣味の世界を極めるプロジェクトとして情報公開している本企画。7回目を数える今回は、心地よい風を切って走る二輪、バイクツーリングの様子をリポート。山形県長井市に週末や連休になると1日200台超えもあるというライダーたちが参拝に集まる聖地、バイク神社こと「長井一の宮 總宮神社」を目指すことに。

 

山形トヨタの先鋭ライダー集結
山形〜長井〜寒河江へ

 いつもはそれぞれの持ち場で四輪のメンテナンスや営業・広報を担当している「つくりば」メンバー6人が、今回は自身の愛車、それも二輪車を伴って集合。前夜遅くに強い風を伴った雨が降り心配された天気だったが、集合場所の「ぐっと山形」で見上げた空は、東から暗い雨雲を朝暘の透明な光が押しのけている状態。すでに駐車場や道路はほぼ乾き切っていた。
 天気も味方し「つくりばプロジェクト」へのエールを感じるツーリングのはじまり。それぞれがこの日のためにピカピカに磨いたバイクにまたがり、いざ目的地へ向けて出発だ。

集合場所「ぐっと山形」に集まったつくりばツーリングメンバー。

 

曇り空から時折覗く晴れ間を追いかけて

 今回のバイクミーティングの目的地は、長井市にある「長井一の宮・總宮神社」。通称バイク神社とも呼ばれ、週末ともなれば県内外から参拝に訪れるライダーで賑わうスポットだ。ながい黒獅子伝説ゆかりの神社であり、古来より治水を司る神として人々の信仰を集めている。總宮神社がバイク神社として人気を集める理由は黒獅子に由来するそうで、龍神が川を下る様子を表現する舞の様子からきているという。むかで獅子とも呼ばれるほど体をくねくねとうねらせながら踊るので「皆が」「足並み揃えて」「転ばない」ことが大事だそうで、バイクを運転する、またツーリングを楽しむ際の心構えにも共通することから、その験担ぎとして知られるようになり聖地化したのだそう。

 そんなバイク神社を目指す旅、つくりばライダーたちにとっても念願のツーリングとなる。山形市から国道13号を快調に南下し、上山市、南陽市へと進む。南陽市赤湯から国道113号を経由し、国道287号へ。平日のためか交通量はさほど多くないものの、GRスポーツ仕様のオープンカーが先導して6台連なるバイクが通り過ぎる様は人目を引くらしく、すれ違う対向車のドライバーから熱い視線が降り注がれる。

前夜の大雨は遠ざかったものの、走り出して15分後の空にはまだ 厚い雲が立ち込めていた。

 

長井の神霊(44ヶ村)を合祀した長井荘総鎮守「總宮神社」へ

 国道287号沿いにある「道の駅川のみなと長井」で最初の休憩を挟み、ここからは長井市内の県道253号を経由して總宮神社へ。広い参道には一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居が並び、境内には樹齢450年を超える杉の御神木「直江杉」がそびえ立つ。これはかの直江兼続公が戦勝を記念して植樹したと伝えられ大木で、長井市の文化財に指定されている。本殿の建物は1782年(天明2)にに米沢藩藩主・上杉鷹山公の援助により竣工し、鷹山治世下に建立された建物で、三間社流れ造り銅板葺き、妻面桁や木鼻の彫り物など、總欅造りの格式高い姿で参拝者を出迎えてくれる。

南陽市赤湯地内の国道13号から国道399・国道113を進み、国道287の長井南バイパス経由で長井市内へ。

 

出発からここまでおよそ1時間。境内には広い駐車場が用意されてあり、まずはここまでの無事を記念して勢揃い。


 境内の授与所には、全国から集ったライダーたちの記念写真や、宮司の安倍さん所有のバイクなどが展示されていた。つくりばメンバーたちはそれらを少し見学したあと、いよいよ拝殿へ昇殿しご祈祷を授かる。
 宮司さんが祝詞をあげ、祈願する内容を大神様にお伝えする。静かな境内に響く儀式の音はとても厳かで、祈りを捧げるという神聖な時間にゆっくりと心身が癒されていくようだ。

境内には總宮神社の宮司さんが所有するバイクが展示されてあったり、バイカーたちが訪れた記念品なども飾ってあった。
つくりばメンバー6人が揃って拝殿へ。ツーリングの安全を祈願し、記念のお守りを授かる。


 

西置賜エリアから西村山へ
ゴールは寒河江のチェリーランドに決定

「週末になると100台ほど、連休ともなると200台ものバイカーで賑わうんですよ」と宮司さん。自身のバイク好きも相まってか、全国から訪れるバイカーの愛車のこだわりを尋ねたり、二輪談義に花が咲くなど、なんども参拝してくれるライダーが多いのだそう。
 最後に参道に停めたつくりばメンバーのバイクを1台ずつお祓いしてもらい、帰路となる国道287号へ戻ることに。

拝殿でのご祈祷が終わると、今度は1台ずつ参道で愛車バイクと一緒にお祓い。

一行がゴールに定めたのは寒河江市の「道の駅寒河江」、愛称チェリーランドだ。途中の休憩地を確認し、この日後半のツーリングへと出発。山形市から長井市まで約40km、およそ50分の道を走り、ここからさらにゴールまで約45km、1時間のコースとなる。まずは長井市の隣、白鷹町あゆ茶屋でちょっと一服。

白鷹町「あゆ茶屋」で休憩し、この後のツーリングルートを確認。

 

その後同町内で昼食休憩を挟み、足を進めた朝日町でひとり、大江町「道の駅おおえ」でさらにひとりのメンバーが現地解散。

大江町「道の駅おおえ」で休憩。そして2人のメンバーがここで現地解散。
そしてこの日、取材に使用したトヨタGRスポーツ仕様のCOPEN。

つくりばメンバーは4名でゴールを目指して国道をひた走る。午後の日差しが少し傾き始めたと感じた頃、交わる国道112号を寒河江市内へ。チェリーランドのアーチ看板をくぐって、約3時間半の1dayツーリングはゴールを迎えた。
「走り抜けたぞー」
「普段の週末を使って走るにはちょうどいい距離だね」
「俺はまだ走れそうだけどなー。いやでも少し走り足りないくらいでいいのかもね」
 そんな感想を言い合いながら、つくりばメンバーたちはここで現地解散。最後まで程よい天候に恵まれたこの日は、5市3町を駆け抜けた。つぎのツーリングではどこヘ行こうか。

国道286号から国道112号へ入り、道の駅「さがえ」でゴール。

 

 


 

  • 立ち寄りスポットデータ
    長井一の「宮總宮神社」
    山形県長井市横町14-24(總宮神社社務所)
    ☎︎0238-88-3348
    ご祈祷初穂料/神殿でのご祈祷バイク・車6,000円
    HP→https://www.sohmiya.org/hp/

 

 

 

 

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2022年01月29日

#006「スノーモービル」体験

西蔵王高原に轟くモーター音にテンションMAX!
スノーモービルで雪原を疾走!

 

いよいよ本格的なウインタースポーツシーズンが到来。
山形市内屈指のアウトドアフィールド「西蔵王高原」でこの時期しか楽しめないスノーモービル体験へ、いざ。

 

雪国山形ならではのモータースポーツ人気のスノーアクティビティにチャレンジ

 大人が本気で遊び、本気で楽しむコトをコンセプトにさまざまなチャレンジを続けている「つくりばプロジェクト」。冬真っ只中のシーズンにメンバーが挑むのは、ご存知スノーモービル。スノーモービルは一般車での侵入が困難な積雪地帯を思いのまま滑走できるスノーアクティビティとして幅広く人気がある乗り物だが、意外にも体験メンバー全員が初めて乗るとのこと。陸路は専業よろしくお手のものとはいえ、積雪地帯を走る今回は、山形県内でもっとも長くスノーモービルスクールを運営している「西蔵王高原スノーモービルスクール」へお邪魔し、基本的な講習を受けからのスタートとなった。

レクチャー。ロッジ三百坊のなかでDVDを視聴しながら座学。

 

 

風を受けながら白銀の大自然のなかへ飛び出そう

 講師を務めてくれるのはスクールの校長兼「ログハウス三百坊」のオーナーである神保藤喜雄さんと、同スクールのインストラクター横山秀弥さん。
「山形在住の皆さんだから雪には慣れていると思いますが、今日はめいいっぱいスノーモービルと戯れてていってください」と神保さん。乗車する前にまずは参加者全員がビデオを視聴しながら座学講習を受ける。そのうえでスノーモービルの特徴や運転前点検、大まかな乗りかたなどを学びイメージトレーニングする。
「オートバイ・スクーター、いわゆる原付自転車と同様に、ハンドル・アクセル・ブレーキの操作で運転します。今回は雪原や林道などを走りますが、専用のライセンスなどは必要ありません。スノーモービルは国土交通省からナンバープレートの取得が許可されていないので一般道・公道を走ることができず、許可を得た山道や林道、私有地で走行します」のだそう。 

動かし方

 

乗るときに気をつけることは3つ。それを胸にいざライドオン!

 30分ほどの座学を終えると、ヘルメットやグローブなどの装備を整え、いよいよ雪原へ。ロッジ前の広場にはヤマハ発動機製のスノーモービルがずらりと並び、これから走行練習をする平面コースが用意されていた。神保校長が「まず一番初めに機体を持ち上げて雪上からしっかり離れるか確認してください。地面に凍って張り付いていることもあり、そのまま発進すると大変危険です。ハンドルがしっかり動くかどうかも確認してください」と声を放った。「次にシートに跨ったら、下ではなく進行方向を見て走ってください。その際の姿勢はすぐに立ちあがれるポジションで、膝をしっかり締めて乗ることがポイントです」と続ける。

スタート
最初は慎重に、スノーモービルの動きを確かながら走らせる。


 次々と雪山にこだまするエンジン音が重なり、参加メンバーの表情には緊張と高揚感が表れはじめた。まずは神保校長がお手本として雪しぶきを上げながらスタート。独特な燃料の匂いが漂いバババーッというエンジン音が鳴り響く。左回りの周回コースを一気に回って戻ってくると、すぐさまもう一周。雪道のデコボコに合わせてスノーモービルが跳ねても神保校長の体は瞬時にそれらを吸収し、しなやかな動きでコースを駆ける。前部左右にはスキー、後部にはトラックベルトが装備された構造のスノーモービルが、まるで生き物のように雪の上を走っている。
 つくりばメンバーたちも一人ずつ順番に、神保校長が先陣を切った道をなぞりながら雪原へ飛び出していく。
「うわ、結構力強い。すぐにスピードが出ますね」とつくりばメンバーが話すと「スノーモービルはゆっくり走るのが苦手です。だから直線はエンジン全開で。でもカーブではしっかり速度を落すことが大切です。直線で50kmぐらいのスピードが出せたらいいでしょう」と横山さんがアドバイス。そのアドバイスを受けながら周回コース、8の字走行、スラローム、トラバース、急斜面走行とステップアップしながら運転テクニックを学んでいく。
「今回は男性だけの参加ですが、女性ももちろん乗れますよ。むしろバイクなどの運転経験があまり多くない女性のほうが、運転にクセがないためかすんなり上達することもあります」と話す神保校長。「カーディーラーの皆さん、さすがモーターで動く乗り物には抵抗ないみたいで覚えが早いですね」とも。練習中一人ひとりに目配りし「目線を上げて」や「膝、脇を締めて」と声がけは怠らない。

5週ほど回った頃には全員周回スピードがぐんと上がってきた。

 

斜面を走るトラバースも繰り返し練習する。大胆にサイドに重心を置いて走るテクニックも習得。
神保校長の華麗なジャンプ。神保校長は1990年に山形県内初のスノーモービルインストラクターに就任した経歴を持つ。

 

 

スノーモービルでしか行けない白銀の絶景ツアー

 体験開始からここまでおよそ1時間。基本の運転技術を学んだところで、ついに初心者講習の仕上げとなる林道コースツアーへと出発することに。雪のない季節は西蔵王高原の駐車場として使われている場所から、横山インストラクターの先導で道なき道を進んでいく。丘の斜面を駆け抜け、木々の合間を抜け、普段は立ち入れない白銀の西蔵王を満喫できるのは、スノーモービルツアーの醍醐味だ。取材したこの日は晴天に恵まれ、頰に当たる山風はキリキリと冷たくも、澄んだ空気のもと視界は晴れ渡っていた。

 15分ほど走らせ辿り着いた高原の丘の上からは、眼下に山形と上山市内が広がっている。西方の山脈までくっきりと眺むことができたこの日は「つくりばプロジェクト」に対するご褒美か、まさに絶景が広がっていた。
「景色最高! めっちゃ爽快でした」「いやー楽しかった。またすぐに乗りに来てもいいですか?」
 ロッジに戻ってきたつくりばメンバーたちは、皆一様に興奮冷めやらぬ面持ちで感想を話してくれた。紅潮した頰は寒さのせいではなく、何かを学び、心が動いた証だろう。山形をステージに大人が本気で遊べるフィールドは、思っているよりまだまだたくさんあるのかもしれない。

 

山形と上山市内を見下ろす丘の上で「つくりばプロジェクト」スノーモービル編の記念写真

 


 

  • 店舗データ
    西蔵王高原スノーモビルスクール
    山形県山形市土坂376-15
    TEL:023-633-3555  FAX:023-631-3637
    体験料/一般初心者講習7,000円(1時間30分)
    ※スノーモビルに乗って、基本の動作や操作を学びます。簡単なスラロームやトラバース等も体験します。
    HP→http://300bou.yamagata.jp/snowmobile/

 

 

◎開校案内
期間/12月末〜3月末 定休/毎週火曜 受付/10:00~16:00
取得可能ライセンス/西蔵王高原スノーモビルスクール認定・スノーモビルライセンス(A級・B級・C級)。

 

◎準備に必要なもの
・ゴーグルまたはサングラス、スキーウエア、スキーグローブ、防寒タイプの長靴、着替え

 

◎レンタルするもの
スノーモービル、ヘルメット(バイク用のものがあれば持参も可)

PLAY REPORT

実際に行われた趣味・遊びのレポートをお伝えいたします。

2021年09月17日

#005「三淵渓谷」

圧巻の自然美を愛でながら神秘の渓谷を旅しよう

龍神の伝説を求めてながい百秋湖ボートツーリング

 

長井の水の恩恵を存分に
絶景・三淵渓谷通り抜け参拝へ

 「水と緑と花のまち」のキャッチコピーで知られる山形県長井市。街なかには最上川舟運の面影を映す水路が走り、生活に根付いた水の文化がいまなお受け継がれている。
 今回の「つくりばプロジェクト」メンバーは、百秋湖でボートツーリングを体験することに。まず集合したのは長井市西部の野川沿いにある「野川まなび館」。ここで予約の確認と乗船手続きを済ませる。のどかな山間の景色が広がるエリアだが、川の恵みが人々を潤してきた一方、野川は源流からおよそ20kmで1,400mも降る急流であることから、かつては大雨の度に氾濫し、田畑や集落に大きな被害をもたらしていたそう。百秋湖はそんな野川の治水と灌漑を目的に増設された人工湖だ。
 野川まなび館からボート乗り場である合地沢湖面広場へは白川ダム方面へ向かって車で15分ほど。取材当日は真夏の太陽光が降り注ぐ絶好の撮影日和で、陽気に背中を押されたつくりばメンバーたちも高揚気味だ。

ライフジャケットを着用して乗船。動きやすい身軽な格好が基本。夏でも寒い場合に備え上着があると便利。

 


さまざまな動物たちが住まう
穏やかな湖水を進む

船頭を務めてくれるのは、ボートツーリングを主催する最上川リバーツーリズムネットワークの佐藤代表。最上川流域の地域づくりに長く携わり、山形県の水に関わるスペシャリストとして多方面で活躍されている人物だ。佐藤代表の案内でモーターボートに乗り込み、さっそく出発。船舶と違い、湖面に等しいポジションから眺める景色は臨場感だっぷり。日差しが反射して水面がキラキラと輝き、アドベンチャー気分を盛り上げてくれる。

 


 乗船中は百秋湖や白川ダムの成り立ち、さらには野川の歴史などの案内を聴きながら、水に沈んだ村や土地の面影を感じながら進む。
「車も人も入ってこられないこのエリアは、まさに動物たちにとって楽園です。野鳥や小動物たちは思うままに過ごし、ときどきエサ場を求めて湖を泳いで移動する熊に出くわすこともありますよ」と佐藤代表。「我々は自然の恩恵にあやかり、動物たちの世界にお邪魔しているわけですから、そんな時は熊が対岸に渡るまでじっと待ちます」と話す。
 皆うなづきながら聞いていると、水面からパチャパチャと何かが跳ねる音がした。見ると、そこには仰向けになり必死にもがいているクワガタの姿が。
「あそこにクワガタがいます、溺れています!」
「…溺れている?」誰かの叫びを反芻すると、佐藤代表は水の跳ねた場所までボートを引き返してくれた。強風に煽られたのか、不運にも湖のうえへ落ちたミヤマクワガタ。彼らにとってこの広い湖上は、果てない大海原といった程であろう。自然を愛する通りすがりの人間に見つかり命拾いだ。

溺れていたミヤマクワガタを救出。

 


 

歴史に翻弄された
悲恋の卯の花姫伝説

白川ダムが完成する前はここに三淵神社があった。水に沈んだ杉林がその名残り。

 多彩な夏山の緑に視界を埋め尽くされながら進む。ボートの上では、平安時代後期、奥州十二年合戦の時代に起こった卯の花姫の伝説について語られていた。
 陸奥豪族であった安倍貞任は、長井を戦の要所と定め、愛娘である卯の花姫を遣わして統治させていた。そこへ源頼義軍が攻め入ってくる。頼義の長男である義家はそんな激戦の最中、卯の花姫へ「戦は本意ではない。然るべき時がきたら妻として迎え入れたい」と書いた誓紙を何度も送り、敵軍である貞任の戦法を聞き出したという。卯の花姫はそれが戦略であったとは知らずに軍法を漏らしてしまい、とうとう父・貞任は討たれてしまった。その知らせを聞いた卯の花姫は、自らの所業を心から悔いて、三淵の底へ身を投げたという。
 これが卯の花姫伝説の概要だが、長井市内で語り継がれている伝承では、命果ててなお里の無事を案じる卯の花姫の御霊が三淵の龍神と融合して獅子となり、長井市の伝統神事に登場する黒獅子となった、と話が続く。

 


 

和やかな空気が一変
龍神が住むという太古の谷が現れる

 

緑のトンネル、漆黒の花崗閃緑岩。幻想的な空間で地球の息吹を感じる。

 夏の日を浴びながら穏やかに進んだボートの前に、ひときわ鬱蒼とそびえ立つ淵が見えてきた。渓谷の川幅は3~5mと狭く、ボート一艘がようやく通れるほど。その両側に高さ50mを超える断崖絶壁が250mほど続く。それまで見ていた大パノラマが一変したことで、つくりばメンバーたちの視線はその特異な景観に吸い込まれている様子だ。
「渓谷に差し掛かったらボートはゆっくりと進みます。まず入口で手を合わせ、心静かにご参拝ください」と佐藤代表。
 硬質な花崗閃緑岩のため垂直に切り立った崖。その肌は濡れて漆黒に輝き、水面が波風で揺れ動く様も相まってまさに神域を思わせる。諭されるまでもなく、一堂は滴る水音や透明度を増した湖面の美しさ、遥か昔から風化侵食によって刻まれた奇跡の景観を前に言葉が出ない。
「こんな場所が山形にあったなんて」
「ボートに乗って冒険気分が満たされ、三淵渓谷の美しさに心が洗われた、とても贅沢な時間」
「一生に一回は行ったほうがいい」
 往路のボート上で交わされたつくりばメンバーの会話だ。
 山、海、川、そして湖と、山形県にはそのすべてがある。遥かなる時間をかけて先人たちが守り継いできた地域資源。私たちはいま、こうした地元の豊かさに改めて気づくチャンスを得た。山形が誇る自然という雄大かつ偉大な懐に飛び込み、言葉では語り尽くせない体験をする。そんな感動の時間をこの「つくりばプロジェクト」の場で共有できることをこれからも願って。  

 

 


ボートツーリングを愉しむ同士、すれ違う際は笑顔で手を振り合うのがお約束。
往復でおよそ1時間のツアー。陸地が懐かしく感じるくらい濃密な時間。

  • 店舗データ
    最上川リバーツーリズムネットワーク
    山形県長井市平山2743-4(野川まなび館内)
    TEL 0238-87-0605  FAX 0238-87-0611
    ​受付8:30~17:15(年末年始を除く)
    HP→https://manabikan.wixsite.com/boat

◎運行案内
11月までの毎週金〜日曜と祝日に運行中。1日最大8便出航。
1艘貸切6人まで12,000円(税込)、10人まで20,000円(税込)
※悪天候やダム湖の水位状況等により運航日の変更及び中止になる場合がございます。
※コロナ感染症対策で当面の間1グループ1便貸切でのご利用となります。
※こどもは身長85cm以上から大人のかたと一緒に乗艇可能です。※予約優先につき、事前に電話で乗船日をご予約ください。

 



 

PLAY REPORT

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2021年01月31日

#004「庄司屋」そば打ち体験

「庄司屋」そば処山形屈指の老舗・庄司屋の五代目に習うそばの学校。師走の最後を締めくくる伝統の国民食「日本そば」を自ら手打ちで。

 

そば好きなら一度は体験したい日本伝統の技

 山形県内は、各地に名店が連なる街道が存在するほか、そばを通した多彩な食文化が根強く残るなど、国内外のそば好きから一目置かれるそば処である。近年はさらに産地としての評価も高まり、古来より作られてきた在来種に加え、雪国という地域の特性を生かして産まれた山形生まれ山形育ちのそば、原料にも注目されているのが特長だ。
 山形県人にとっては身近な存在であるそばだが、その流儀や美学について、また通や粋と称するなどこだわり派が多いことでも知られる食べ物だ。それだけ日本人にとっては伝統のある食であり文化であり、こだわりたくなるほどに美味しい存在ということなのだろう。それならばいざ自分たちでそばを打ち、食べるカタチに仕上げてみよう、というのが今回の企画だ。

 

庄司屋五代目の庄司信彦さん(右)

 

150年受け継がれてきたその技に圧倒

講師は庄司屋の五代目、庄司信彦さん。
 集まったのは、山形市滑川にある鈴木製粉所敷地内の「蕎麦碾處・石臼館」。ここでは、石臼で製粉する工程の見学や粉ひき体験ができるほか、そばの手打ち体験ができる研修室が完備されているので、そば店主催の手打ちそば体験や勉強会、講習会などの会場としても利用されている。
 今回集まったつくりばプロジェクトメンバーは6人。山形県内屈指の老舗、庄司屋の庄司信彦社長を講師に迎え、まずはそば打ちの基本の流れと、注意点を聞く。全員がそば打ちは初めて体験するということで、心なしか緊張の面持ちでのスタートとなった。
「庄司屋では蕎麦粉10割に対しつなぎ1の十一(といち)のそばを提供していますが、今回皆さんに打っていただくのは、二八(にはち)そばです。そばは、打つ工程において乾燥させないことがとても大切で、そのためには手際よく進める必要があります。必要以上に熱が入り乾燥が進んでしまうと風味が損なわれ食感も悪くなります。ですので、今日そば打ちしていただくのは、当店で提供しているものよりつなぎは多めですが、その分初めてのかたでもまとまりやすく、喉ごしの良くそばですので、どなたにも食べやすい手打ちそばができると思います」と庄司社長。
 まずは、庄司屋の職人さんによる基本の手順をひと通り見学することに。

 

そば粉と水、それだけ。

材料はプロも素人もまったく同じ。

水回し

「木鉢に粉を入れたら、用意した水の半量を回して入れてください。そして粉に水分を行き渡らせるよう、指を立ててかき混ぜます」

 職人さんが慣れた手つきでそば粉を混ぜていく。まだまだ粉と水の状態、交わってはいない。
「粉がダマになったら適度にほぐしながら、あまり神経質にならずに残りの水のまた半量を入れて、両手の指を使って馴染ませてください。この時、手には力を入れ過ぎず、軽やかに動かすのがコツです」
 庄司社長が丁寧に説明をしてくれる間も、職人さんの手を止めない。まとわりつく粉を払う所作さえ規則正しく、粉と水を素早くかつ丁寧にまとめていく。

練り

「最後の水も入れましょう。だんだんと小さいまとまりから大きいまとまりへ、かたまりが大きくなると思います。ひとつにまとまってきたら生地が滑らかになるよう、腰を入れてぐっと練ります。このとき、空気を出すイメージで」

 会場に集まったメンバーは、庄司社長の声に耳をそばだてながらも、視線は無駄のなく淀みのない職人さんの動きに一点集中。
 ここまでの段階でおよそ5分。さらにここから5分ほど、そば粉と水のみの材料が、こね鉢のなかで艶を感じるほどに練り込まれていく。

 


 

 

 

 


のし

「つぎは、のしの作業に移ります。綿棒を使って打ち粉を降りながら伸ばします。最初は円状に広げるように、その後、四角を意識して角を作っていきます。気をつけたい点は生地の厚みをなるべく均等に伸ばすこととです」そう説明すると、庄司社長が自ら麺台に立った。ここからは、仕上がりを左右するのしの工程だ。のしの際のコツを解説しながら、庄司社長はさすがに慣れた手つきで丸まったそばを伸ばしていく。中心から外へ、少しずつだが素早く、あっという間に生地は広がり四角い角が作られていった。四角くなった生地をまるで風呂敷のようにしなやかに折ると、いよいよ切りの作業へ。

切り

 生地をこま板で押さえながら、麺切り包丁をその重さを利用しながらストンと下ろす。切りは、そばの喉越しを決める重要な作業。粋な角のあるそばを作るためには、均一な切り幅、スパッと角のある切口が求められる。
「そばは太くても細くても大丈夫です。お好みで切ってください。ただ、お集まりの皆さんのなかで、普段から包丁を握っている、料理が得意というかたはいますか?」との庄司社長。突然の問いに、メンバーの2人ほどが手を挙げる。さすが令和の現代、男子厨房でも活躍するとは頼もしいなと感じた瞬間「ではそのお2人はとくにお気をつけて。麺切り包丁は家庭の包丁とはまったく違います。普段から料理包丁を握る人ほど、ケガをしないよう慎重に扱ってください」と注意が飛んだ。

 

見るのとやるのとでは大違い、そば打ちの奥深さを知る回に。

 

 庄司社長による圧倒的な切りの作業を見終えたつくりば一行。いよいよ自分たちのそば打ち体験スタートだ。粉と水、たったそれだけの原料から、山形県人にとっては普段から近しい食である日本そばが出来上がる。工程も文字で書く分には水回し、練り、のし、切りと大きく分けて4行程とシンプルだ。それだけに、ちょっとした加減や配分量、のし方、切り方に個人差が出るとも言える。

メンバーの「練り」作業


「これ、ちゃんとくっつくか心配」
「ダマになっちゃった」
 メンバーはほとんど無言でそばと向き合っているものの、真剣がゆえに不安な気持ちが時折つい溢れ出る。
「大丈夫です。自分で打ったそばはどんな状態でもおいしいですから」手元がおぼつかないメンバーには助け舟を出しながら、庄司社長が励ましていく。職人さんの作業の倍ほどの時間をかけて生地を丸めると、できた人から次行程ののし、さらには切りの作業へと進む。

メンバーの「のし」作業

「均等に伸ばすのが案外難しい」
「あ、ここ切れそう」
「これ、性格出るよね」
 それぞれが愛しむように生地をのしていく。綿棒を持ってそばと向き合う姿勢が、それぞれ様になって見えてくるから不思議だ。

メンバーの「切り」作業

 切りの行程では、迷いなく軽やかに麺きり包丁を下ろする人、トン、トン、と1回ずつ慎重に進める人、麺の幅もそれぞれに細かったり太かったり個性が現れた。打ち終わったメンバーに声をかけると、
「いやぁ、想像していた以上に重労働でした。そばを食べるという行為は我々にとって気軽な日常だと思っていましたが、その背景には職人さんたちの努力があることを痛感しました」と感想が寄せられた。
「でも今回せっかく体験できたので、またぜひ挑戦して家族に振舞いたい」
「お父さんの打ったそばを食べよう会か。いいね、かっこいい」とも。


 庄司社長曰く「そばは毎日打っても毎日違います。極めれば極めるほど追求できてしまうというか、自分が本当に納得のいく仕上がりのそばに出合えるのは、我々でも難しいです」と。続けて「ただ、皆さんが今日自分で打ったそばは、我々本職の打ったそばと比べてどうこうではなく、手放しでおいしいはず。そこには皆さんの頑張りと愛情、気持ちが入っているので」と、つくりばメンバーのチャレンジを讃える言葉を贈ってくれた。
 最後に、庄司屋150年の打ち立てのそばを全員で満喫して終了。風味豊かなそばの香りが、いつも以上に胃袋を喜ばせる会となった。

 




 

  • 店舗データ
    そば処庄司屋
    [山形本店]山形県山形市幸町14-28
    定休日:月曜日(祝日の場合は翌平日)
    営業時間:11:00〜16:00(LO15:30)/17:00〜20:30(LO20:00)
    駐車場:30台


[御殿堰七日町店]山形市七日町二丁目7-6
定休日:不定休(WEBサイト、店頭にて告知)
営業時間:11:00~21:00(LO 20:30)

 

ホームページ→https://www.shojiya.jp/

 

◎そば打ち体験
会場/鈴木製粉所石臼館にて

 

PLAY REPORT

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2020年11月26日

#003「4 couleur(キャトルクルール)」

「4 couleur(キャトルクルール)」野遊びを徹底網羅する「スノーピーク」のアーバンアウトドアショップ

 

 新潟県三条市発信のアウトドア総合メーカー「スノーピーク」のアーバンアウトドアショップインショップ『4 couleur』(キャトルクルール)が今回のつくりばステージ。近年のキャンプブームで注目を集める話題の店で、初級のキャンプライフを学ぼう。


 

県内唯一のスノーピーク専門店

 

 山形市南部、元木二丁目の住宅街に佇むシックな店舗。入口には快適にくつろげそうなチェアのほか、焚火に使うのであろう蒔きやウッドチップが並んでいる。タープが張られたウッドデッキスペースにはテーブルもセットされ、暮らしに溶け込む快適なアウトドアスタイルをイメージさせるのに充分だ。

エントランスに展示されているテーブルセットなどすべてスノーピークの商品。


「最適な機能を持ちつつ、都会的で洗練されたデザインの日常性も兼ね備えたアイテムを取り扱っています。今日は実際にテントを張ったりしながら、スノーピークの道具を使ったBBQ体験もしてみましょう」とシニアマネージャーの神尾裕樹さん。今回はつくりばプロジェクトチームから、アウトドアは初心者という4人が参戦し、その魅力に迫る。

 


 

職人メイドなアイテムとの出合いが住まいと野外の境界線を無くす。

 

キャトルクルールの店舗敷地内には、ウッドチップが敷き詰められたアウトドアスペースが用意されている。購入を検討する際、テントやタープを広げて試すことができるほか、グリルテーブルや焚火台などの使い勝手をシミュレーションすることも可能だ。またイベントやフェアの開催時には、キャンパーに大注目のモバイルハウスの展示も行われたとのこと。アウトドアシーンを体現できるスペースが敷地内にある強みは大きい。

スノーピークSIS(ショップインショップ)マイスターの髙木智史さん

「今回は大人6人用のテントを組み立ててみましょう。居住空間になるインナーテントに、保温や結露低減効果のあるルーフシートをセットして完成になります」と先導してくれたのは、スノーピークSIS(ショップインショップ)マイスターの髙木智史さん。収納時は大人ひとりで軽々持てるコンパクトサイズながら、取り出すと3m×3mほどのシートが地面に広がる。


「このサイズのテントなら、家族でキャンプに出かけたとしてもパパひとりでも設置することができます。荷物置き場を考慮すると、大人2人と子ども2人で使うのが理想でしょうか」とのこと。

 

設置したテントは大人4人が楽にくつろげるサイズだ。

 設置に参加したメンバーによると「思っていたよりも軽くて扱いやすいです。フレームパーツが色分けされてあったり、フックなどの留めかたがシンプルでわかりやすい。一般的なテントに比べてペグが強固な点はさすがですね」と関心した様子。

消耗品という概念を変えた最強ペグ。繰り返し使えるのでコスパもいい。

 

 今回設置体験したテントは、エントリーモデルながら耐久性と風の影響を最小限に抑える設計であったり、室内の保温性や防水性、フライシートやインナーシートが採用されているなど、道具として一生付き合っていけるスペックが十分に備わっている。「自然のなかに作り出すベッドルーム、それがテントです。雨風を凌ぐことができて当たり前。山や森、川、海といった、あらゆる環境下で地球の地肌をダイレクトに感じながらも快適に過ごせる性能が必要です」と髙木さん。スノーピークが目指しているのはそうした非日常下での日常を追求するツールであり、人生を豊かにする存在だという。

 

 

「前室後室両方にメッシュパネルを備えているので、夏場でも涼しく過ごすことができる仕様になっています。また、スノーピークの特徴でもある丈夫なペグは、テントやタープを支える要。どんな地面にも確実に固定できるよう鍛造製法で作られています」と髙木さん。「このペグはスノーピークの故郷でもある新潟市燕三条が世界に誇る鍛冶技術が活かされているんですよ」と続けて教えてくれた。

 

 



 

アウトドアフィールドはもちろん、タウンでも日常的に使える秀悦なアイテム

 

 40分程度で完成したテントの横に、今度はテーブルとキッチンシステムを用意しBBQの準備を進める。キッチンシステムは用途に合わせたパーツを組み合わせながら自分仕様にカスタマイズできるスノーピークの人気商品だ。ガス燃料のフラットバーナーに飯ごうを乗せ、ご飯が炊きあがるのを待つ。隣には本格焼肉仕様の鋳鉄グリルがセットされ、いよいよBBQタイムだ。
「今回はテーブルの高さをロースタイルにしました。座りながら楽に肉や野菜を焼いたり、飲食できる高さです」と髙木さんが話すと、「チェアとの相性がすごくいいですね」と、つくりばメンバーが反応。「このローチェアは座面の下にも支えがあるので、座りながら動いても体が沈みこまないんです」と神尾さんが説明してくれた。

着心地、素材、使い勝手にもこだわりが散りばめられたアパレルはキッズ、レディース、メンズサイズが揃う。


 

「キッチンシステムもチェアも、デイリーでご愛用いただけると思います。実際、スノーピークのチェアやテーブルをリビングで使われるかたも多いんですよ」とのこと。シーンを分けずに使える価値の創造、その視点こそがスノーピークの真骨頂でもある。ここキャトルクルールは、スノーピークのアーバンアウトドアショップとして東北最大級の品揃えを誇る。キャンパー必須アイテムからキッチン小物、アパレル、ファニチャーまで、日常にも取り入れられるハイスペックなアウトドア用品を常時700点以上が揃うのだ。

 

 


 頃合い良く牛カルビが焼け、炊きたてのご飯が配られたところで、グリルを囲みながら感想を尋ねると、
「道具の準備や片付けなど、もっと大変なイメージがあったが、スノーピークのアイテムは使い勝手や収納性の良さで解消してくれる感じ。認識が改まった」「普段使いできる用品が多くてびっくり。これが家にあったら過ごしかたも変わりそう」「モノが上質なので、長く使えるね」と上々。

 

余分な脂が水皿に落ち、煙の発生を最小限に抑えてくれる設計の鋳鉄グリル。清掃の手間が省けると評判。


 スノーピークを知ればアウトドアシーンで〝寛ぐ〟〝遊ぶ〟ことがさらに身近になりそうだ。ライフスタイルを豊かにしてくれるヒントを探しに出かけてみては。


 

左からキャトルクルールのシニアマネージャーの神尾さん、マイスターの設濼さん、髙木さん

 



 

  • 店舗データ
4 couleur(キャトルクルール)
 
 山形県山形市元木二丁目10-49
 TEL:023-676-4122
 営業時間:11:00-20:00
 定休日:毎週木曜


インスタ⇒ urbanoutdoor_4couleur
ホームページ⇒ https://www.4-couleur.net

 

お店へのアクセス

 

PLAY REPORT

実際に行われた趣味・遊びのレポートをお伝えいたします。

2020年08月21日

#002「FLAT bouldering」

 

 2019年5月に書かれた産経新聞の記事によれば、国内のスポーツクライミングの人気が急上昇しているという。愛好者を含む競技人口は推定60万人にも上るとか。その背景にはここ10年間でジムの数がおよそ5倍に増えたことと、2016年に東京オリンピック2020の追加種目になったこと、さらには国内外で開かれた大会で、日本人選手が目覚ましい活躍を遂げていることが後押ししているようだ。
 そもそもスポーツクライミングとは垂直の壁を登る競技のことで、そのなかでも登る速さを競う「スピード」と、高さ4mの壁を時間内にいくつ登れるかを競う「ボルダリング」、15mの壁をどこまで登れるかを競う「リード」に分けられている。さらに、競技とは別に、道具を使わず自身の体力と技術を駆使して岩を登ることをフリークライミングという。フリークライミングもリード、トップロープ、ボルダリングの3つに分けられ、なかでもチョークとシューズという必要最低限の装備で登る最もシンプルなスタイルの「ボルダリング」は、クライミングをはじめる人たちの入口となっているようだ。


 

IFSC国際ルートセッターが手がけるボルダリングジムでクライミング初挑戦

 

 


 

FLAT Bouldering
FLAT Boulderingのオーナー平松さん
国内有数のルートセッターのひとり。

山形市北町にある「FLAT bouldering」は、ちょうど国内でスポーツクライミングの人気が盛り上がった時期と重なる2015年にオープン。

オーナーの平松幸祐さんは、現在日本に5人しかいないIFSC(国際スポーツクライミング連盟)公認のルートセッターのひとりで、2020年5月に開かれたボルダリングジャパンカップではチーフセッターを務めるなど、スポーツクライミング界では一目置かれる存在だ。

そんな平松さんがつくったボルダリングコースを体験したいと、全国のクライマーたちが遠征に訪れることも多いという。そんな国内有数のジムが今回の取材現場だ。


 

仕事は自動車整備技師
チャレンジャーの富樫卓さん。

ボルダリングは初挑戦という富樫卓さん(山形トヨタ 総合物流BPセンター勤務)とともに、オトナが真剣に遊ぶ〝つくりば〟を体験リポートする。


 

 

指、腕、足、背中、全身を使ってホールドをつかめ

 


「FLAT bouldering」でボルダリングをはじめて体験するという場合は、インストラクターによる1時間程度のレクチャーを受けることができる。準備運動で丁寧に体をほぐしながらボルダリングの基本ルールを習い、壁面の前へ。

先にインストラクターによる登りかたのデモンストレーションを見学し、イメージを掴んだらいざチャレンジとなる。
「壁にレイアウトされているホールドを掴みながら進みます。登るコースは自由に決められますが、グレードが上がるごとにホールドが小さくなったりホールドとホールドの間隔が大きくなったり、身体能力が試されることになります」と平松さん。
 ビギナーの富樫さんだが、学生時代は野球、社会人になってからは趣味でゴルフを続けているというスポーツマンだけあって、10級、9級を難なくクリア。次の8級では、対峙する壁の傾斜や絶妙な曲面への対応力が求められる様子で、コース中盤で一度固まってしまう。先に平松さんがデモンストレーションで登った時は終始滑らかに進んだので、地上で見ている素人目にはその難しさが伝わらなかったが「傾斜のある壁面では手の力だけでホールドに食らいつくのが難しい」と富樫さん。さらにホールドを掴んだままだと次のアクションを出しづらい体勢であったり距離感であったりと、登った本人にしかわからない課題が見えたようだった。


 

 

自分と向き合う充実感と達成感。ライフスタイルごと変えてしまう魅力がある。


「初回であれば7級をクリアできたら及第点でしょうか。ボルダリングは自分と向き合いながら上を目指すスポーツ。同じコースでも登る人が違えば多様性が生まれるように、ゴールの目指しかたも人それぞれでいい。描いたコース通りに進めるか、掴んだホールドが自分にのスタイルに合っているかそうでなかいか、ひとつ登るごとに問題を解いていくパズル的な感覚に似ているかもしれません」と平松さん。

 


boulderingの壁の施工は美しい曲面壁を操るBOTANIXが手がけ、世界レベルのボルダリングウォールと評されている。

8級チャレンジでボルダリングの難しさと楽しさの入口を経験した富樫さんだが、手順を解き直して2回目は見事クリア。いざ7級へ。すると序盤はなんとか切り抜けたものの、終盤あと一歩のところで目指すホールドへの手が届かず落下。休憩を挟みながら何度か挑戦するも、残念ながら同じ箇所でのつまづきを克服するには至らず。

 

「7級は序盤から一手一手がハードになりました。中盤までなんとか切り抜けても終盤で腕が震えてしまい、ホールドを保てなくなるという印象です。腕の力だけとか足の力だけでなく、全身を使って動く必要を感じました。今回7級のゴールを獲れなかったのがすごく悔しいので、次はトレーニングして臨みたいです」と富樫さん。

 


7級にチャレンジ中の富樫さん。全身でホールドに食らいつく。ルートは定期的に変わるので、飽くことなくトライできるのが楽しい。

 

頭のなかでルートを考えながら、背筋や腹筋も含めた全身の筋肉を駆使して四肢を伸ばす。柔軟性やバネを生かした動きが求められるし、何より壁と向き合った時の判断力、集中力が試される。ボルダリングは想像以上にクリエイティブなスポーツのようだ。

 


「クライミングは誰かと比べてやるものではなく、自分と向き合いながら自分のペースで取り組めるスポーツです。レベルに合った目標が生まれ、それに応じた達成感が得られるのもひとつの魅力では」

「目標が定まりやすいので、そのための体づくりをしたりだとか、食事に気をつけたりだとか、生活スタイルにも影響するようになる人は多いですね。かといって最初に必要な道具はシューズとチョークくらいで、初心者でしたら気軽にレンタルから始めてもいいでしょうし、自分のペースで取り組めるのでライフスタイルのなかに取り入れやすいと思います」と平松さん。

 


「FLAT bouldering」の利用料はフリータイムで一般1980円、18時からクローズまで1300円。別途初回登録料1100円が必要だが、はじめての利用者はシューズ&チョークバッグが無料で利用できる。
 まずは動きやすい服装で気軽にトライ。目指すホールドをつかもう。

 


 

 

FLAT bouldering
倉庫をリフォームして造られた広く快適な空間が広がるFLAT boulderingの外観。男女別の更衣室、手洗い場を完備。

⬛︎店舗データ

○FLAT BOULDERING
 
 山形県山形市北町二丁目1-30
 TEL:023-682-6760
 定休日:毎週金曜

インスタ⇒ flatbouldering
ホームページ⇒ https://flatbouldering.com

 

お店へのアクセス

 

 

PLAY REPORT

実際に行われた趣味・遊びのレポートをお伝えいたします。

2020年04月22日

#001「クラウドモビリティ山形」

 

時間の使いかたを知る大人が心地いい。動く秘密基地。

トレーラカフェの外観です

 

 


 北山形駅エリアの住宅街。下条五差路へ続く県道を西へ進み、アンダーパスをくぐると左手に見えてくる流線形のシルバーボティ。一瞬何が見えたのかわからなくなる。
 北町ベースと名付けられたこの場所に置かれているのは、ハリウッド映画やアメリカドラマでお馴染みのキャンピングトレーラーである。若きレオナルド・ディカプリオがジョニー・デップと共演したヒューマンドラマ映画「ギルバート・グレイプ」に登場したそうアレだ。最近ではサスペンスアクション映画「ザ・コンサルタント」での登場が記憶に新しい。ベン・アフレック扮する主人公が大型SUVで牽引しながら走るシーンが印象的だった。
 そのエアストリーム社のキャンピングトレーラーに大胆なレストアを施し、移動カフェに仕立ててしまったのが、クラウドモビリティ山形の「CLOUD27」と「CLOUD19」である。

 


 

やるからにはオンリーワンなカフェスタイルを。


〝銀色の幌馬車〟と呼ばれるアメリカはロサンゼルス生まれのエアストリームだ。その見た目のインパクトもさることながら、1台1台ほぼハンドメイドに近い工程を経て丹念に製造されることから、キャンピングトレーラーの最高峰として80年以上の歴史を持つ。

その外装および内装を移動カフェ仕様にレストアし、ヴィンテージテイストのインテリアをコーディネイト。約半年の歳月をかけ、男前でスタイリッシュな空間に生まれ変わらせてしまった。


 

「エアストリームを固定店舗として利用している店は全国にいくつかありますが、移動できるカフェとして営業しているところはおそらくうちが東北で唯一だと思います」とのこと。
 そんな「CLOUD27」が街なかに初めて登場したのは、2017年12月、山形トヨタ本社の南隣にあるカスタマイズファクトリー「GR Garage山形」のオープンイベントにて。

さらに2019年3月には、よりカフェとしての機能の充実を充実させるべく、フードトレーラー「CLOUD19」を増車。これによって対応できるメニューの数が格段に増し、出店するイベントに合わせた幅広い対応が可能になった。

 

 

クラウドが提供する非日常な時間を愉しむ


「CLOUD27」で提供されるメニューは、ハンドドリップコーヒーと、夏期限定のコールドブリューコーヒー。そのほかソフトドリンクやホットドッグ、チキンオーバーライスなど。トレーナー内で飲食できるほか、テイクアウトもOKだ。また「CLOUD19」では同様のドリンク類のほか、クラムチャウダー、キーマカレー、牛すじカレー、ホットサンド、マッケンチーズベーコンなどといった、アーリーアメリカンな光景にお似合いのフードたちが揃う。



 

味にも素材にもひと手間かけた「Cloud19」の人気メニューたち。


チキンオーバーライス

700円


グリルチキンホットサンド

500円


ホットドッグ

350円

 

 


※表示価格は全て税込みです。


左が川田GM。右はCloud19でシェフを務める緒方さん。


「週末や連休などを利用して、期間限定のナイトタイム営業を実施することもあり、そのときはコロナビールやカクテルなどアルコールの提供も行います。またCLOUD27を貸切にして、仲間内の飲み会スペースとして使っていただくことも可能です。ご相談ください」と川田さん。


 

英語で〝雲〟を意味する店名の〝CLOUD〟には、見る人、見る場所の数だけ見えかたがある、そしてまたクラウドサーバーのように人々がアクセスするポイントでありたい、そんな思いが込められている。
 雲のように街から街へと移動するCLOUD27、CLOUD19。この幌馬車たちと過ごす時間は、留まる場所の変化に合わせて毎回違った景色を見せてくれるはず。まさに時間の使いかたを知る大人が心地いい、動く秘密基地といえるだろう。


 

 

 

お店へのアクセス


 

 

店舗情報

○株式会社クラウドモビリティ山形(北町ベース)
住所 山形県山形市北町一丁目5-36
電話 023-616-6720
定休日 毎週火曜

インスタ⇒ trailercafecloud27

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