この記事は 酒田店 が取材しました。
〒998-0834 酒田市若竹町2丁目1-2
電話番号:0234-22-3811
https://ytj.jp/yorimichi/shop/236
「毎日の食卓に、もっと気軽に米粉パンを」
そんな想いがこもった焼きたての米粉パンを召し上がれ!
2025年10月16日 記事掲載
(情報は取材時のものです。詳細はお店にお問い合わせください。)
今回の【名店セレクション】は、酒田市千石町と新橋に店舗を構える米粉パン専門店『なないろPLUS』さんをご紹介します。今回は千石店にお邪魔しました。外から見るとこぢんまりとした印象でしたが、中に入ると意外にも広々とした空間。奥の工房では、たくさんのスタッフさんがパンづくりに励んでいました。
実はオーナーの堀さん、介護事業も幅広く手がけていらっしゃいます。自社の施設はもちろん、地元スーパーやホテルなどへもパンを卸しているそう。だからこそ、早朝からお昼にかけて、驚くほどたくさんのパンが焼き上がっています。
それではさっそく、堀さんにお話を伺ってみましょう。
「パンが食べたい」その声から始まった、やさしい米粉パンの物語
お店のオープンは2022年12月。複数の介護施設を運営している堀さんが、コロナ禍で宅配弁当が続く日々を過ごしていた高齢者の方から「パンが食べたい」との声を聞いたことがきっかけでした。
その当時、小麦の価格が高騰していたこともあり、注目されていた米粉を使って専門店を開くことに。ですが今度は、米の価格までもが上昇中…。
それでも「原価はかなり上がっていますが、毎日の食事に気軽に取り入れていただけるよう、できるだけお求めやすい価格にしています」と堀さん。
「高齢の方って、意外とパンが好きなんですよ。特に朝食時など、食欲がない時でもパンなら口にしてもらえることがあります。始めてよかったと心から思っています」とも語ってくださいました。
『なないろPLUS』さんの米粉パンは、米粉8割に対し小麦グルテンが2割という配合。完全グルテンフリーのパン(カンパーニュ)も、週末限定で販売しています。「ご用意できない日もありますので、気になる方はSNSでチェックしてからお越しくださいね」とのこと。
店頭に並ぶパンはすべて米粉パン。定番の食パンやクロワッサン風の“米ワッサン”、そして惣菜パンなど種類も豊富。さらに、クッキーやシフォンケーキなどのお菓子にも米粉が使われています。
使用する米粉は、白米に水分を含ませてから粉砕する“湿式製粉”という方法で作られたもの。きめ細かく、もちもちとした食感の秘密はこの工程にあるそうです。
使われている米粉は、山形県産の“はえぬき”をベースに、パンの種類に合わせてブレンドされています。たとえば、“つや姫”“雪若丸”“ひとめぼれ”など、いろいろな米粉を試しながら、理想の食感やもちもち感を追求。そのほか、米粉専用品種“みずほちから”や、米粉用としても知られる“コシイブキ”も使用しています。
“みずほちから”はふんわりとした仕上がりになるので、グルテンフリーのケーキやスイーツに。“コシイブキ”は弾力があり、クッキーなどの焼き菓子に向いているそうです。
まず味わっていただきたいのが、やっぱり食パン。しっとり、もちもちの米粉食パンは「第1回おいしい米粉コンテストinやまがた」で優秀賞も受賞。“はえぬき”をベースに数種類の米粉をブレンドしているのですが、「米粉同士って、なかなか混ざり合わないんです。こねすぎると熱を持って過発酵しやすく、気温や湿度にもとても左右されます」と堀さん。
そんな繊細な生地だからこそ、一つひとつ丁寧に。そんな想いが詰まった食パンを、ぜひ手に取ってみてください。
「米ワッサン」は、米粉で作るクロワッサン。バターを練り込んだ生地を、こねては冷やしまた寝かせるを2日間かけて繰り返すという手間ひまがかかったもの。サクッとふんわり、そして冷めても美味しいと、特に女性に人気のパンです。
この「米ワッサン」をカットし、冷凍してから再び低温で焼き上げたのが「米ワッサン クルンジチョコ」。イメージは、クロワッサンのラスクです。抹茶やイチゴなど6色のチョコで彩られていて、見た目も華やか。価格も手ごろなので、お子さんのおやつにもぴったりですね。
『なないろPLUS』さんのショーケースには、まだまだたくさんの米粉パンが並んでいます。
たとえば「ココアメロンパン」。クッキー生地もパン生地もどちらも米粉を使っていて、深みのあるココア色が印象的。ちょっぴりほろ苦い風味は、大人のメロンパンといった感じ。外はサクサク、中はもっちりとした贅沢な食感です。
惣菜パン(惣菜コッペ)の種類も豊富で、ミックスピザのコッペパンをはじめ、メンチカツや白身魚フライ、煮卵リッチサンドなど、1つのコーナーができているほどの品揃え。
価格は300円前後とお手頃で、お昼時にはレジ前に行列ができるのも納得。取材時も、会社員風の男性たちが2個、3個と買い求めていましたよ。
驚いたのが、クッキーなどのお菓子類にもすべて米粉が使われていること。むしろ、小麦グルテンを使わない分、お菓子の方がグルテンフリーなんだそうです。
日によって並ぶものは異なりますが、クッキー、パウンドケーキ、シフォンケーキ、クレープ、マフィンなどバリエーションも豊富。私がいただいた米粉のバスクチーズケーキは、しっとりなめらかな口どけで、甘さも控えめ。罪悪感なく楽しめるスイーツでした♪
オープン当初は何度も失敗を重ね、軌道に乗るまで半年ほどかかったという堀さん。
施設の高齢者から「もちもちの米粉パンは美味しいけど、顎が疲れる」といった声があれば配合を見直したり、売れ行きを見ながら時間帯別にパンの種類や数量を調整したり…日々の試行錯誤は今も続いています。
最後にもう一度。「毎日の食卓で気軽に米粉パンを楽しんでもらいたい、という気持ちを大切に、これからもパンを焼き続けたいと思います」と、優しい笑顔を見せてくれた堀さん。
本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。
MENU(※価格は2025年5月現在)
※商品内容はその日によって変わります
玄米パン 2斤880円・1斤450円
落花生パン 260円
米粉のパウンドケーキ(オレンジピール入) 230円
バスクチーズケーキ 300円 他
お店へのアクセス
米粉パン専門店 なないろPLUS 千石町店
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〒998-0834 酒田市若竹町2丁目1-2
電話番号:0234-22-3811
https://ytj.jp/yorimichi/shop/236
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