この記事は 本社 が取材しました。
〒990-2441 山形市南一番町11-16
電話番号:023-623-1911
自家製粉で深層天然水使用
レトロな雰囲気も味わえるこだわりのそば屋
2023年12月27日 記事公開
私にとって、上山市でそばとなればこちらのお店。妻ともよくお邪魔していますが、毎回そばの味とお店の雰囲気に感動しています。今回は取材でおいしさの秘密やお店のことについて、詳しく聞きたいと思っています。
自家菜園の野菜など、できるだけ手作りのものを
かみのやまだからできるそば屋を目指して
今回の【名店セレクション】は、上山市にある手打そばたから亭さんを取材しました。国道13号線からもアクセスの良い、長閑な住宅街にあるこちらのお店は、上山市政がはじまって以来、2代目の市長を務めた酒井久三郎氏の邸宅をリフォームしたもので、築200年という建物が持つ味わいを随所に感じられる佇まいになっています。広めに設けられた軒から店内に差し込む太陽光など、ひと足踏み入れるだけで、まるでタイムスリップでもしたような気持ちになり、提供されるそばへの期待が、自然と高まってしまうロケーションです。
たから亭さんがオープンしたのは、今から20年前の2003年のこと。その前にも同市内の川口で、そばをはじめ釜飯なども提供するお店をされていたとのことですが、縁あってこの屋敷を継ぐことになり、現在はお昼にそばのみを提供するスタイルで営業されています。当時の古民家ブームにも乗って、たから亭の名は市内に広まっていきました。「ここにお店を構えて二年目の頃から、徐々に観光のお客様が増えていきました」と、店主の加藤学さんは話します。県外からわざわざ足を運ぶような、ランドマーク的なそば屋になっていったのです。
こだわりのひとつである、蔵王山系の深層天然水の掘削は実に大変な工事だったようで、地下水脈を目指して掘るも水は出ず、諦めかけたころに地下110メートルの辺りから水が沸きはじめたそうです。現在は地下120メートルから汲み上げ、一年を通し冷たいその水は、そば打ちに欠かせないものとなっています。他にも自家製粉のそば粉や、自家菜園の野菜など、加藤さんの故郷・上山市という地域だからできることを事業の強みに変え、おいしいそばを提供されています。
ちなみに上山市は、8年ほど前からワイン特区として国産ワインの醸造に務められていますが、市内で上山産のワインを楽しめる飲食店は少ないのだとか。たから亭では当初から市内で生産されているワインの提供を試み、また今後も新たなワイナリーのワインを提供する予定ということです。「どのワイナリーさんのワインも上質で、市の強みのひとつになっていくと思うのです」と加藤さん。そばとワインのマリアージュとは、一体どのようなものなのでしょう。
お客様の多くには、揚げそばがきなど、油分が多く温かいものと白ワインを合わせる方が多いと話す加藤さん。私としては癖が強い春菊の天ぷらなどには、赤ワインも合わせてみたいと思いました。また、現在はお休み中とのことでしたが、フランス鴨の温かいおそばには、きっとたまらないくらいの相性なのではないでしょうか。いつかはお昼からおそばとワインなんて贅沢を、してみたいと思いました。
手打そばたから亭さんには今まで何度もお伺いしていますが、今回の取材を通して、その強いこだわりをさらに感じました。上山市のこの場所で味わうそばだからこそ、多くのお客様に愛されているのでしょう。山形市にもはじめて道の駅がオープンしたので、これからはもっと忙しくなるのでしょうが、ぜひお身体をご自愛ください。上山市にたから亭あり。加藤さん、取材にお付き合いいただきありがとうございました!
MENU
※価格は2023年11月現在のものです
瑞々しい二八のそばと、さくりと揚がった天ぷらが人気のメニュー。季節で変わる野菜を味わうために、また再訪したくなるひと品です。
一度冷え固めたそばがきを、スクエア状に切り揚げたひと品。表面のカリっとした食感と、内側のもっちりとした食感が癖になると評判の品です。
抽出したそば茶にそば粉を合わせ、ゼラチンで合わせた和風プリン。自家製黒蜜のコクのある甘味も合わさって、少量でも満足できるデザートです。
春菊をはじめじゃがいもやさつまいもまで、できるだけ自家菜園での手作りの野菜が盛り込まれた天ぷら。おいしさの当たり前は、店主の努力から生まれています。
お店へのアクセス
手打そば たから亭
〒990-2441 山形市南一番町11-16
電話番号:023-623-1911
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